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遠距離通学がストレスを強める

 Sは市外からの通学者で、第一志望校を不合格となり、本校へ二次募集で入学してきた。1時間近くかかる通学は彼にとって大きな負担だった。夏休み頃より、夜は眠れず朝は起きることができないという生活に陥る。夜はテレビゲームをして過ごすことが多くなった。
 二年次は登校しても午前中の授業はほとんど寝ていた。交通機関の関係で午前中は登校しないことが多くなり、出席時間数に不足をきたした。医者の診断書をもらい病的な不登校ということで、欠席を4割まで認められる特例を適用したが間に合わず原級留置となった。
 一年遅れてやり直したが、ほとんど改善が認められず、やはり4割特例を申請することになった。職員会議の席上「授業中は教科書も出さずに寝ている」と特例適用に反対する意見も出された。担任の努力があって3年生に進級したが、また出席時間数が不足する事態に陥った。再び4割特例を申請する事態に陥ったが担任が躊躇した。「この2年ほとんど改善されていない。誰よりも自分がこんなこと許せないと思っているのに、職員会議で弁護なんかできない。」と心情を吐露した。どうしようもないことはわかっていたが、口に出さないと気が済まなかった。
 学年会の中でも話し合ったが「個人的な気持ちはわかるが、担任の仕事として自分を抑えて職業的な立場で会議に臨むしかない」という結論になった。担任のF先生は覚悟を決めてよく弁護し、4割適用を受けた。いつ時間数が切れるかわからないという状況の中で、F先生は欠課時数を一覧表にまとめいつも注意を払っていた。ある時は家に迎えに行き、ある時は地元の友人宅に宿泊することを容認した。バス停まで車を走らせることもたびたびだった。毎朝起きることを確認してから出勤するように母親に依頼していたが、それはほとんど実行されなかった。最終的に親はこの問題から切り離した。
 
F先生の努力が実ってSは卒業することができた。感謝の言葉を残して。

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