不登校事例を書き留めることの意味

 このサイトは2004年に立ち上げました。高校で新しい生徒を担任したときにあまりにも不登校の生徒が多かったことに驚き、その経過記録をまとめた指導資料が基になっています。

 時が流れて2010年に自分の子どもが不登校に陥りました。今度は親として不登校に立ち向かうことになりました。当たり前の話ですが、不登校に決定的な解決方法はありません。多くの親がそうであるように「何が悪かったのか」「甘やかして育ててしまった」「学校の中に問題がある」「携帯電話とメールが気力を削いでいる」など色々な原因を考え、迷い、怒り、不安に翻弄されながら過ごす日々が続きました。「居場所を作れば直る」「不登校は悪いことじゃない」などカウンセリング的なアドバイスも、的を射ているとは思えず結局「どれも間違ってるし、どれも正しい」と考えることにしました。ただ、不登校の本人も揺らぎ、家族も揺らいだとき、多くの事例は台風に遭ったときの海図の役割を果たしてくれました。
 ここには、自分で記録したもののほか、掲示板に寄せられた体験や、時には寄せられた批判もあります。それらは今、不登校の渦中にいる本人、家族の方々にきっと参考になると信じています。

2012/5/07

掲示板を設置しました

 

2014/06/11から再度掲示板を設置しました。このブログはほとんど更新しないにもかかわらず、毎日150人以上の方々に訪れていただいております。ココログのアクセス解析を信用するなら、10代の人たちが2割、20~40代が7割ほどで、保護者の方々が解決のヒントを求めて立ち寄ってくださるようです。

 私はせっかく立ち寄ってくださっている方々に、意見交換や体験を共有する場所を提供したいという希望を持っています。かつては掲示板を設置しており「掲示板の投稿から」というカテゴリーをつくるほどでした。その中には「不登校を克服したお母さんからの書き込み」のように、今も多くの方々に何度も読まれている記事もあります。
 しかし、掲示板は管理が難しく、2004年に設置した掲示板は「アダルト系の広告スパム」が多くて継続を断念しました。2度目に設置したときはおそるおそるで、PRもしなかったため投稿数が少なく、niftyからの「しばらく投稿がないので削除します」という警告メールを見落として削除されてしまいました。投稿してくださった方々には大変もうしわけありませんでした。

 

 それでも、また設置したのは「気持ちを吐露する場」「体験を共有する場」としてやはり必要という判断にたったからです。安全性とスマホや携帯への適応性を考慮してteacupさんの無料掲示板を利用させていただいてます。今後、使用しながらより使いやすいように設定を調整しようと思っています。使用にあたって以下の点はご了承ください。

(1) 誹謗中傷は書かないでください。あった場合は断り無く削除させていただきます。
(2) 他の書き込みに対する批判もご遠慮ください。
(3) 回答は期待できません。体験を語るだけと割り切って書き込みをお願いします。
(4) 著作権は管理人に帰属することをご了承ください。つまり、出典をあきらかにしたうえで書き込みをブログに転 載したり、電子書籍化したりすることもあります。

多くの方々に利用していただけると幸いです。

2014/07/18

不登校克服の戦い2・・なぜ学校へ行くのかから始めよう2

 現代人(ホモサピエンス)が生物界の頂点に立つことができたのは、言語という情報伝達手段を得たことによって、他者の経験を自分のものにすることできたからです。一つ一つを自分で経験しないと生きる手段を学ぶことができない他の生物に対して、圧倒的な優位性を手に入れることができました。

 学校は人がたくさん集まっているというだけで、学習の場になります。多くの人の中から自分の生き方を教えてくれる人に出会うチャンスがそれだけ増えるのです。
 A君は、他の人の行動や言葉の意味を理解することが苦手な生徒です。最初のクラスで彼は自分の手本となる人を見いだすことができませんでした。話す相手もなく、孤独な毎日を送ったことで猜疑心が強くなり「悪口を言われた」「馬鹿にされた」「自分なんか居ない方が良いと思われている」と取り乱すことが多くなっていきました。精神安定剤を服用して、授業中になると猛烈な眠気に襲われ、保健室に逃げ込んで眠ることもたびたびで、夏休み前にはついに登校できなくなりました。家族もA君の存在に困り果て、受け入れてやらなければいけないと思いながら、どうしても小言や叱責を浴びせてしまう状態でした。
 休学をして、翌年の4月に復学した新しいクラスには、やはりコミュニケーションが苦手なB君がいました。ただ、クラス全体でB君は「そういう存在である」という特殊性が認知されていたおかげで、まわりの生徒も自然にそういう生徒に対する接し方をするようになっていたのです。
 つまり、普通なら激怒してもおかしくないやりとりがあっても「Bだから」というあきらめのようなものがあって、あまり問題にならなかったのです。B君は集団活動の中では破壊的言動をすることが多く、教員の私も何回か腹に据えかねて怒ったことがあります。「言われてもわからない」と自分の欠点を盾にして抵抗するB君に「だったら黙ってろ」と泣かせたことも何度かありました。
 B君もかなりつらい毎日を送っているのですが、彼はめげません。休み時間になるといつも職員室前の廊下に来ます。「なんとなく、教室に居辛い。だからここが良い」と言います。A君はよく職員室に逃げ込んで、大きな声で話してうるさがられてましたが、B君と出会ってから廊下という居場所を見つけました。そしてB君の生き方を模倣し始めるのです。「そうかこうやっていることもできるんだ」というのは大きな発見だったのでしょう。こうして二人は毎日一番最初に学校へ来て、廊下でスマホゲームに熱中するようになりました。
 最初のうちはB君に頼り切っていきていたA君は、やがてB君にものを申すようになります。B君の破壊的言動や、けんかを売るような言葉遣いがA君には嫌だったのです。A君はこうして、同じ年齢の人間と交流するようになりました。そして「人の振り見て我が振り直せ」を実践するようになったのです。
 ただ、A君とB君の間に会話は成立していません。間に私が入っても成立しません。二人とも話をしている最中に興味がころころ変わり、思いついたことを口にするものですから、常に一方通行です。それでも二人は一緒に居ることが楽しいのです。言葉はなくても同じ空間にいて、お互いを見ることによって、経験を共有しはじめたのです。B君に出会ってからのA君の社会性の著しい伸びは特筆すべきものがあります。
 この人間同士の相互作用こそ、学校が存在する最大の理由でしょう。

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2014/07/17

不登校克服の戦い1・・なぜ学校へ行くのかから始めよう

 なぜ学校なんか行かなければいけないのだろう。国家から見たときの学校の存在理由は...

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2014/07/16

改めて不登校の原因を考察する4  ネガティブ家族

 日本ハムファイターズの試合を見ていると愚痴らずにはいられません。「やせ馬の先走...

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改めて不登校の原因を考察する3 母子分離不安症って何?その3

「ところで、幼少期のトラウマってなんだろう」と考えると当人もよくわからないことが...

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2014/07/11

改めて不登校の原因を考察する2 母子分離不安症って何?その2

 「母子分離不安症のため不登校だった生徒Aさん」は高校には何の問題もなく通い続け...

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改めて不登校の原因を考察する1 母子分離不安症って何?

 小学校高学年から中学校にかけて、不登校だった生徒のカルテ(学校でつくる生徒につ...

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2014/07/03

インターネットは怖い

 今朝(2014年7月3日)の北海道新聞朝刊に、ツイッター上で道議会議員の一人が...

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